でかしたぞムスメ~そして誰もいなくなった~
結婚を前提に一緒に住みたいと言う。
21歳。私が結婚した年齢だ。
今時、早いと周りは思うだろうけど、
そういや、私も短大の同級生の中では早い方だった。
その件に関しては何も言えない(笑)
彼の名前は聞き覚えがあった。
高校の同級生だ。
なんと!?、、、あの子ですか。
娘の高校は3年間クラス替えがなかった。
入学してきた時から、
「今年はとても頭のいい子が入ってきた」
と言われていた生徒で、
性格も温厚で皆にとても好かれていた爽やか君だった。
自己主張はあまりしないけれど、いわゆる皆の輪の中心にいるような、人気者。
「あんな子と娘が結婚してくれたらいいのにな~♪
ま、成績も性格もパッとしないわが娘とは、縁がないからそれはないけどね。」
と冗談で言っていた彼、そのカレの名前だった。
その後の彼は、大学でもよい成績をおさめ、よい会社に就職が内定していた。
しかし、地方の工場勤務になるそうだ。
で、「ついてきてほしい」と言われた、んだそうだ。
で、でかしたぞ!娘!
いったいどこでそんな女子力を発揮して!!
と言いたいところだが、
あまりの展開に私は現実が受け入れられなかった。
「だって、だって、あんたずっと 結婚なんか興味がない、みたいなこと
言ってたじゃないの!」
そんな言葉を信じる方がバカだ。そうですね、はい、まったく・・・。
でも、娘の言うことも、急すぎて信じられなかった。
だって、まずはお付き合いして愛をはぐくんでそれから結婚・・・って
行くもんでしょ?それに今の子はあまり結婚したがらないとか言うって・・・。
第一、全然男っ気がなかったのが、何なのその展開の速さは!!
信じられないとか言っているうちに、あれよあれよと半年が過ぎ、
3月、本当に、本当に、娘は自分の荷物を積みだして
彼と引っ越して行ってしまった。
新入社員なので、式は後でお金をためてからやりたいと。
二人の新居は地方ならではの3LDKマンション。
今、私と住んでいる1LDKより広くて明るくて駅にも近い。
彼は、大人になってもやっぱり温和で優しい、いい人のようだ。
片親で、苦労をしているので、経済管理もしっかりしている。
きれい好きで料理もうまいんだって・・・。はああ~~
も、申し分ないじゃありませんか・・。
向こうが望んで、ウチのバカ娘を連れていってくれたんだ。
彼女にとって、きっと幸せな結婚になるに違いない。
こんなうれしいことはない、のに。
娘が引っ越していった夜、
彼女の荷物も無くなった、すっきりした部屋で、
独りきりになった私は大声で泣いた。
一晩中泣いても、涙がとまらなかった。
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