夫の自信
夫は、浮気をしたり、夜遊びをしたり、うそをついたり、
そういうよくある問題は全くない人でした。
仕事もいきなり辞めるまでは、かなりきちんと行っていました。
ですが、とてもやりにくい部分がありました。
自分のペースを人に合わせる、ということをできない人だったのです。
特に時間やスケジュールには融通が利かず
例えば、9時に出かける、と言った場合、
子供が急にトイレに行きたくなって1分遅れただけでも
「今日はとりやめ」
と部屋に戻ってしまう、とか。
当然、急な予定変更は彼と一緒の時は認められません。
「あ、○○買い忘れたから、予定にはなかったけどスーパーに寄っていい?」
なんていうのはあり得ません。
アポなしで来たお客さんにすごく冷たい態度をとったりとか。
要するに予定に入っていないので平気で無視をするのです。
それが私の親であっても。
あいさつくらい、できんのか!?
もちろん電話は出ません。
電話というのはいきなりかかってくるもの。
それが気に入らないというこどで。
話している相手が、
話の最中にかかってきた電話に出ることも許せない行為と、、
その後はだいたいケンカになります。
何より恐ろしいのは、
普段温和に見える彼が、
「それは間違っている」と感じたことに出会うと
突然スイッチが入り豹変する部分です。
言っていることは正論ではありますが、
そのくらいまぁいいじゃないということや、
ここでそれを言ったら、その後どうなるのよ、ということを
遠慮なしで、どこでもズバズバ、、相手を徹底的に責めまくるのです。
その激しさは、話している人にとって恐怖です。
そしてとてもしつこい。
相手がひれ伏して間違いを認めるまで、
どこまでもどこまでも追及してきます。
そういうことをしても、彼は相手に対して悪意はないのです。
「間違っているから間違っていると認めさせた」
でも、いい大人にそこまでさせてしまったら、
もうその人とはお付き合いはムリでしょう。
言い方を変えると
「大変に正義感がつよい」とも言えますが、
そのおかげで親戚づきあいや近所付き合い、ができず、
できないどころか、どこへ行ってもトラブルを起こし、
そのトラブルは私たちを巻き込み、
結局、どこへ行っても誰ともお付き合いが続かなくなってしまうのです。
彼は自分に自信があったのだと思います。
卒業した大学と学部、就職した会社名を言えば
「エリート」と言われました。
かなりの高額ローンも当たり前のようにカンタンに貸してくれました。
家の価格は1億を超えていました。
ほとんどがローンです。
そんなもん、借りられてしまったから、またえらいことになったんです。
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