むすめよ、さようなら
家を出てからの生活も何とか2年を過ぎた----。
子供の頃からずっとずっと
「私はずっと結婚なんかしないと思うよ」
と娘は言っていた。
娘はいつも私と一緒にいてくれた。
ものつくりの好きな娘と
いつか一緒にお店をやろうね、と
夢を話すことが、私の一時の幸せで、支えでもあった。
アスペルの父親と
自立にアップアップしている頼りない母親。
激動の人生に一番苦しんだのは
もしかしたら娘かもしれない。
兄弟姉妹がいれば、少しは分け合えた苦しみも
ひとりっこの彼女は、自分の中に押し込んで耐えたのだろう。
周りの同級生たちが
のん気に大学生活を楽しんでいるのを見ながら
生きるために、彼女も一生懸命働いてくれた。
きっとたくさんのことを学んだろう。
バイト先でいろいろな人とも出会って、
生きていくことの厳しさと哀しさも知ってしまったのだろう。
二十歳前の彼女に酷なことをしてしまったのかもしれない。
でも、それだからこそ
彼女はとてもきれいになった。
魅力的な女性になったのかもしれない。
そんな試練も彼女の人生だったのかもしれない。
ある日、、、
「私、彼と暮らすことにしたから、この家を出ていくから」
と娘は私に言った。
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