50代の強制断捨離「したかったわけじゃないんだけど!」

サラリーマンの妻として結婚30年。
半世紀を生きてきて、そろそろ余生を・・・なんて考えていたら、いきなり家も夫も子供もいなくなってしまいました!
あれ?こんな人生想定外!
「もっと若ければ」と思いながらも、おばさん生きていかなくちゃ。いや、生きていかなくてもいいのか?と葛藤しながら、それでもお腹がすくからよく食べる。
よくわからないけど生きています!

でかしたぞムスメ~そして誰もいなくなった~

結婚を前提に一緒に住みたいと言う。

21歳。私が結婚した年齢だ。

今時、早いと周りは思うだろうけど、

そういや、私も短大の同級生の中では早い方だった。

その件に関しては何も言えない(笑)


彼の名前は聞き覚えがあった。

高校の同級生だ。


なんと!?、、、あの子ですか。


娘の高校は3年間クラス替えがなかった。


入学してきた時から、

「今年はとても頭のいい子が入ってきた」

と言われていた生徒で、

性格も温厚で皆にとても好かれていた爽やか君だった。

自己主張はあまりしないけれど、いわゆる皆の輪の中心にいるような、人気者。


「あんな子と娘が結婚してくれたらいいのにな~♪

 ま、成績も性格もパッとしないわが娘とは、縁がないからそれはないけどね。」

と冗談で言っていた彼、そのカレの名前だった。


その後の彼は、大学でもよい成績をおさめ、よい会社に就職が内定していた。

しかし、地方の工場勤務になるそうだ。

で、「ついてきてほしい」と言われた、んだそうだ。


で、でかしたぞ!娘!

いったいどこでそんな女子力を発揮して!!

と言いたいところだが、


あまりの展開に私は現実が受け入れられなかった。


「だって、だって、あんたずっと 結婚なんか興味がない、みたいなこと

言ってたじゃないの!」


そんな言葉を信じる方がバカだ。そうですね、はい、まったく・・・。


でも、娘の言うことも、急すぎて信じられなかった。


だって、まずはお付き合いして愛をはぐくんでそれから結婚・・・って

行くもんでしょ?それに今の子はあまり結婚したがらないとか言うって・・・。

第一、全然男っ気がなかったのが、何なのその展開の速さは!!


信じられないとか言っているうちに、あれよあれよと半年が過ぎ、

3月、本当に、本当に、娘は自分の荷物を積みだして

彼と引っ越して行ってしまった。

新入社員なので、式は後でお金をためてからやりたいと。


二人の新居は地方ならではの3LDKマンション。

今、私と住んでいる1LDKより広くて明るくて駅にも近い。


彼は、大人になってもやっぱり温和で優しい、いい人のようだ。

片親で、苦労をしているので、経済管理もしっかりしている。

きれい好きで料理もうまいんだって・・・。はああ~~

も、申し分ないじゃありませんか・・。


向こうが望んで、ウチのバカ娘を連れていってくれたんだ。

彼女にとって、きっと幸せな結婚になるに違いない。


こんなうれしいことはない、のに。


娘が引っ越していった夜、

彼女の荷物も無くなった、すっきりした部屋で、

独りきりになった私は大声で泣いた。


一晩中泣いても、涙がとまらなかった。