50代の強制断捨離「したかったわけじゃないんだけど!」

サラリーマンの妻として結婚30年。
半世紀を生きてきて、そろそろ余生を・・・なんて考えていたら、いきなり家も夫も子供もいなくなってしまいました!
あれ?こんな人生想定外!
「もっと若ければ」と思いながらも、おばさん生きていかなくちゃ。いや、生きていかなくてもいいのか?と葛藤しながら、それでもお腹がすくからよく食べる。
よくわからないけど生きています!

娘と家を出る決意をする

ひとり娘は多感な高校生、

父親のこの尋常でない状態に

影響を受けないわけがない。


彼女は生まれてからついこの間まで

お友達からはうらやましがられるような

贅沢な人生を

何の疑問もなく送ってきていたのかもしれない。


きれいな家のトイレやお風呂しか使ったことのない、

毎週、どこかで外食をして

1か月に一回はどこか旅行へ・・・。

会員権できれいなホテルにいつも泊まれる、、、

欲しいものはだいたい手に入り

やりたいことは何でもやらせてもらえる、、、

そんなふうに過ごしてきてしまっていたのだ。


*私たち夫婦はそんな家庭に育ったわけではないのだが。


お金の心配はしたことがない彼女に

この変化は酷だった。


父親との激しいケンカは毎日のように繰り返され


私はこういうケンカはできないのだが。。

二人のケンカの激しいこと・・・。

泣いてわめいて

家の物がどんどん壊れていった。


電話の子機やらコピ―機やら、高価なものは泣けたけど(笑)


そんな生活も、、もういけないと思った。

私は娘と一緒に家を出ることを決めた。

私はバカだったんですね

私は、自分でもそんなにバカな人間ではないと思っていた。


どちらかというと、心配性で

先のことを考えて、リスクヘッジをしてきたつもりだった。


でも、大バカだった。

そのバカに気づくのが、もう10年早ければよかったのに。


なんのキャリアもない、

ただの50のおばさんが、

ひとりで生きていくことがどんなに厳しいか

そんなこと、真剣に考えてはいなかったのだ。


仕事を探そうにも

何ができるというのだろう。


家を借りることも、クレジットカードを作ることも何もできません。


そんなことをやっている間にも、どんどん貯金は減っていく。

引っ越しをするお金も無くなる前になんとかせねば・・。


皆が住みたい都市とても上位の某市の

「女性のための相談窓口」に行ってみたのだけど、

何の役にも立たない的はずれな話・・・。

しまいには、そこにいた中年弁護士に

「あなたが旦那さんにガミガミ言うから嫌になったんじゃないの?

離婚なんて、何もできない主婦には損なだけだよ」

などと、言われて、めちゃめちゃ凹んだ~~。


こんなやつに税金から給料払うな!と、泣けてきた。


こういうところに相談に行く市民は

それなりに覚悟を決めていることに

どうして気が付かないんですかね。


メガネの弁護士のおじさん、あの顔、一生忘れないかも。

家、出ます

夫は、生活保護をもらうという目標に向かって(笑)進んでいた。

どこかで、

ハリーポッターの著者が生活保護をもらいながら小説を書き続けた話を

読んだらしい。


生活保護をもらうためには

持ち家があってはいけない。

貯金もあってはいけない。

家族に収入があってもいけない。


持ち家がない状態にする、

つまり家を手放すことには、

そりゃ、死ぬほど残念ではありましたが同意した。


がんばってローンを払っていたのは彼だし、

そんなたくさんのローンを払わせてしまったことも気の毒に思った。


貯金、に関しても、

ほとんど彼に任せてあった財産は、私にとってはどうでもよいもの。


しかし、私のわずかな収入がネックになる、その部分においては

これをそういった理由のために辞めることには

大きなためらいがあった。


それはこの後も生きていくための最後の収入源であり

私の生きがいでもあったからだ。


そして、こんな私の元に長年通ってくださっている

100人余りの生徒さんたちを、あっさり、私の人生から切り捨てることなど

どうしても、できないことなのだった。


彼の希望を叶える方法はひとつ、

離婚をして私がこの家を出ることなのだと思った。